±Light
人は光を求める生き物。
その「光」とは物質としての、そしてもうひとつ精神的な例えとして使われます。
私も常に双方の光を求めています。
今回のテーマはその物質的な「光」をいかにコントロールするかについて述べたいと思います。
衣裳にどう光を埋め込むか。
2年くらい前かな?LEDを埋めた衣裳を着たダンスパフォーマンスなどとてもカッコ良くて魅入ってしまいました。
バレエ衣裳もそういう新しいパフォーマンスができると面白いですね。
でも、今回は既存のバレエ衣裳のディテールについて。
バレエ衣装で光を埋め込む方法として、スタンダードな方法としては3種類。
①スワロフスキーなどの石系
②スパンコール
③ビーズ
です。
その光り方の違いの認識をし、それを使い分けることで、衣裳の品格やグレードが高まります。
全ては私のマニアックな研究と感覚にすぎませんが、それが私の衣裳の作り方なので説明します。
まずスワロフスキーについて。
スワロフスキーの光方は、光線が、幾つかの方向に向って強く光を放つ感じです。
星が瞬くと表現するのとにていて、スワロは照明にあたると瞬きます。
舞台上ではもっとも強い光を放つ素材です。
一方、スパンコールはメラメラした光方をします。
例えるなら、水面に光が指し、反射して水の揺れとともに光が乱反射し、メラメラっと動いているように見える様子と似ています。
そしてビーズですが、ビーズの光はとても鈍く、連続性を持たないと、その効果を発揮しません。単品で付けるよりも集合体として付けた方が美しい弱い光が生まれます。
でも、ビーズは光をつけるというよりも、衣裳のテクスチャーや、魅せる細工の技術として使用するものと私は分類しています。
…..というように、光具合の違いを分析したうえで、衣裳を作っていくと、舞台上でとても計算された効果的な衣裳となります。
舞台の照明を常に頭の中で配慮し、衣裳に付けた素材がどう効果をなすのか,,,
それを考えて制作することが、上品な光をコントロールする上で重要なことです。
キラキラ光ると綺麗だからといってスワロを使いすぎると「品の欠如」となり、尚かつその光にばかり目を奪われて、ダンサーの動きに目がいかなくなってしまう危険性があるのです。
光の足し算と引き算を上手にすることが、衣裳を作る上で大切なポイントです。