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バレエ衣裳におけるフラクタル次元

フラクタル.jpg

Fractale,,,,In side of Ballet Costume

 

 

フラクタルという言葉をご存知でしょうか?

 

フラクタル…とは、フランスの数学者であり自然科学者、経済学者でもあるマンデルブロ氏によって発表された幾何学の概念であり、そこにある「数学的な美」が存在しています。

 

その数学的な美の仲間として、以前にも『黄金比』について記述しましたが、

『フラクタル』もまたとても審美的で神秘的な形状をつくり、それはバレエ衣裳を作ることにおいて、とても私の研究に響く「気付き」でもあるので、触れておきたいと思います。

 

私もまだこのジャンルにおいて、理解が浅く、詳しく解りやすく説明するのが難しいのですが、

・それがバレエ衣裳においてどういう関わりをしていくのか、

・「バレエ衣裳」はなぜ美しいのか、

ということを理論的に説明するとすれば、まさにフラクタルの現象を用いると納得がゆくものとなったのです。

 

それではまず、その『フラクタル』の説明です。

フラクタルとは、「自己相似性図形」を描きます。

自己相似性図形といっても大変解りにくく、ピンとこないと思いますが、フラクタルはたくさん自然界にも潜んでいます。

 

言葉ではわかりにくいので、ウィキペディアの図解を添付します。

数学的な理解よりも感覚的な理解のほうが、衣装の美学を説明するのには重要なので。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fd/Von_Koch_curve.gif

(ウィキメディア・コモンズより)

 

 

これらの代表的な例として、ロマネスコ・ブロッコリーがあります。

日本ではあまり食卓にのぼることはありませんが、あの形状をみるとわかるように、全体のフォルムをみても、三角柱の突起物があり、またクローズアップするとたくさんの三角柱みたいな形の集合体でできてるのが解ると思います。

また雪の結晶や、木の枝が枝分かれし、同じ形状を反復して構成されるています。

それら自然界の現象もフラクタル次元として説明がつくのです。

 

それがバレエ衣裳とどう関わるのか。。

それはパニエの上にかけるボンのという表面の装飾部分を制作するにあたり、

その装飾のデザインは、まさにフラクタルの概念ということに気付きました。

 

トップの画像はフラクタルの原理により出来た図形です。バレエ衣裳のボンと凄く似てませんか?

 

ボンのデザインを例えば、曲線的な花弁のような感じに8分割など入れたりします。そこをブレードで縁取りし、8分割されたエッジに更なる凹凸を持たせ、その線に雰囲気を持たせます。

そしてさらに、そのブレードに大きなパールやスパンを連続的につけ、立体感を出します。そしてその周りにさらに小さなビーズをつけ、ディテールに繊細さを持たせます。

 

どうでしょうか。舞台からみたら、地図でみた海岸線のような大まかなラインで詳細までは見えませんが、クローズアップするとそのラインはさらに細かいラインがあり。。とまさにフラクタルの自己相似性の原理を衣裳も備えているのです。
 

 

なぜバレエ衣裳が美しいのか。。

それは、フラクタルの原理から説明できるように、衣裳は「数学的な美」を備えているから。

 

バレエ衣裳はとても知的なのです。

「kawaii」という日本語で片付けがちでありますが、そこには深い深い計算された 芸術性がバレエ衣裳にはあることをおわかりいただければ幸いです。

 

衣裳はヴィジュアルが美しければそれで充分なのかもしれませんが、

やはり私はそれだけでなく「才色兼備な衣裳」を育てたいので、衣裳に「知」を入れておきたいという私の個人的な願いです。

 

バレエ衣裳が大好きだから。

 

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参考文献「ウィキぺディア

参考画像「ウィキメディアコモンズ」よりお借りしております。

バレエ衣裳における光の作り方


light.jpg

±Light

 

 

人は光を求める生き物。

 

その「光」とは物質としての、そしてもうひとつ精神的な例えとして使われます。

 

私も常に双方の光を求めています。

 

今回のテーマはその物質的な「光」をいかにコントロールするかについて述べたいと思います。

 

衣裳にどう光を埋め込むか。

 

2年くらい前かな?LEDを埋めた衣裳を着たダンスパフォーマンスなどとてもカッコ良くて魅入ってしまいました。

バレエ衣裳もそういう新しいパフォーマンスができると面白いですね。

 

でも、今回は既存のバレエ衣裳のディテールについて。

バレエ衣装で光を埋め込む方法として、スタンダードな方法としては3種類。

 

①スワロフスキーなどの石系

②スパンコール

③ビーズ

 

です。

その光り方の違いの認識をし、それを使い分けることで、衣裳の品格やグレードが高まります。

 

全ては私のマニアックな研究と感覚にすぎませんが、それが私の衣裳の作り方なので説明します。

 

まずスワロフスキーについて。

スワロフスキーの光方は、光線が、幾つかの方向に向って強く光を放つ感じです。

星が瞬くと表現するのとにていて、スワロは照明にあたると瞬きます。

舞台上ではもっとも強い光を放つ素材です。

 

一方、スパンコールはメラメラした光方をします。

例えるなら、水面に光が指し、反射して水の揺れとともに光が乱反射し、メラメラっと動いているように見える様子と似ています。

 

そしてビーズですが、ビーズの光はとても鈍く、連続性を持たないと、その効果を発揮しません。単品で付けるよりも集合体として付けた方が美しい弱い光が生まれます。

でも、ビーズは光をつけるというよりも、衣裳のテクスチャーや、魅せる細工の技術として使用するものと私は分類しています。

 

…..というように、光具合の違いを分析したうえで、衣裳を作っていくと、舞台上でとても計算された効果的な衣裳となります。

舞台の照明を常に頭の中で配慮し、衣裳に付けた素材がどう効果をなすのか,,,

それを考えて制作することが、上品な光をコントロールする上で重要なことです。

 

キラキラ光ると綺麗だからといってスワロを使いすぎると「品の欠如」となり、尚かつその光にばかり目を奪われて、ダンサーの動きに目がいかなくなってしまう危険性があるのです。

 

 

光の足し算と引き算を上手にすることが、衣裳を作る上で大切なポイントです。

 

 

 

 

 

 

彫刻から紐解くバレエ衣裳に相応しい素材とは...

ミロのヴィーナスとニケ.jpg

Dwell on differences,,,

 

 

 

『ミロのヴィーナス』のドレスを着るか、『ニケ』のドレスを着るか,,,

あなたならどちらを選びますか?

 

以前にもブログで書いたことがありますが、とても大事なことなので、もう一度お話したしと思います。

それは、バレエ衣裳という、踊ることを前提で作られた衣裳は素材選びがとても重要で、布の質感で、重力を消す効果が最大限に発揮できるからです。

 

冒頭でも上げた、彫刻のお話から『布の素材』について繋げていきたいと思います。「石の彫刻から、ナゼ布の話に結びつくの?」と驚かれるでしょう。。

でも、それを知ると芸術の豆知識としてネタにもなるので覚えておいてください。笑。

 

 

とても有名な彫刻で『ミロのヴィーナス』と、勝利の女神ともいわれ、NIKE(ナイキ)のブランド名の由来ともなっているNike(ニケ)。

二つの彫刻の共通点は?

 

…そう布を纏っています。

さあ、どんな生地を纏っていると思いますか?

 

その答えを紐解く鍵として、彫刻の膝のあたりに注目してください。

 

そしてミロのヴィーナスと、ニケのドレスの生地はどちらが薄いと感じますか?

 

答えはニケです。

風になびき、膝小僧の凹凸、筋肉が透けてみえる気がしてしまいます。

シルクジョーゼットかな? しっとりとした質感なのがうかがえます。

 

一方、ミロのヴィーナスはどうでしょう,,,?

透けている雰囲気はないですね。もしかしたら綿のような厚みのある布を巻いているのかもしれません。。

 

この2体の有名な彫刻。ミロのヴィーナスよりニケの方が、はるかに古い彫刻ですが、実は、その技術や芸術性は、ニケの方が遥かに高いのです。

 

彫刻で、布の素材感まで表現出来るテクニックは大変難しいのです。

 

 

 

ここで、ジョーゼットを使用する代表的な衣裳として、海賊メドゥーラでチュニックワンピースタイプと重ね合わせます。

どんな素材を使い、どんなドレープをとると、海賊の見せ場となるジャンプで効果的に見えるのか…それはいかに重力を消す素材の選択ができているかどうかで、踊りの印象が遥かに違います。

 

布の選択を誤ると、ジャンプも重くみえるし、ターンの時も布の抵抗が大きく、身体にまとわりつくだけでなく、遠心力がかかり、ターンの負担となったり。。。

 

なので、ニケのように、風に美しくなびくような、軽くしっとりとした布の選択が、

踊りをより美しく見せるポイントだと私は考えています。

 

1つ1つの素材選びから、それを完成へと持っていくのに、

私の場合、そういったオリジナルの持論や哲学を大切にしています。

 

マニアックすぎますね。
見た目が良ければ全て良し!
,,,ですが、私の作る衣裳には、こういった哲学があることを知っておいて頂きたいのです。

 

ミロのヴィーナスより、ニケになりましょう。

バレエとモードの接近のススメ

バレエとモードの接近のススメ.jpg

Ballet & Mode,,,

 

 

バレエとモードの接近のススメ

 

5月2日、ジバンシィのクリエイティブディレクター、リカルド・ティッシ氏が衣裳デザインを手がけたパリ・オペラ座の『ボレロ』が初演を迎えた。

 

従来のボレロはモーリス・ベジャール手がける、色彩や装飾を限りなく排除し、暗闇に浮かぶ赤い円卓に黒いタイツ,,,という「赤と黒」というイメージから、今回のクリエーターを結集した新しいボレロは「白と黒」。

 

リカルド手がける衣裳は、一見、身体の「骨」を表すデザイン。

そのディテールはレースなどのレリーフ調で、力強いラヴェルの音楽とは

対照的にとても繊細!

まさにモードの静かなる逆襲!?

 

私は思うのです。現代を生きてるバレエ団はパリ・オペラ座だけではないか?..と。

 

他は全て、戦後の香りが残るような,,,

私は時代が止まった変化のないデザインを『昭和的』と表現しています。

今は平成なのに、新しさや未来を感じるデザインがない!

 

『伝統や格式を守る』のが『芸術』。。。という勘違いに早く気付かなければなりません。

芸術は常に革新しているのです。

ピカソがキュビズムを唱えた。

マルセル・デュシャンがトイレの便器をアートだと主張した。

村上隆氏のスーパーフラットやフィギアが賞賛され、

ダミアン・ハーストのサメや牛の輪切りやホルマリン漬けが、今や世界のギャラリーを賑わす。

 

さぁ、バレエ芸術とは何でしょう??

 

幸いにも、私のクライアントは上質な方ばかり。

何かを発信しようとする気持ちと、新しいモノを受け入れる柔軟性。

モードであること。それが繊細な緊張感を与えることを解ってらっしゃいます。

 

数あるアトリエのHPから私に依頼してくださる理由を問えば、「オシャレで斬新なデザインが多いから!お任せするので、自由に作ってください!」と。

 

有り難いです!

変化させるのは難しい。でも、私が私であるために、一人一人のダンサーがその人にしかない感性を表現するために。

オシャレやモードを意識してない今あるバレエとは私はアンチな角度でいます。

 

今、私が蒔いてる種にどうか水をやってください。

常に枯渇状態です。気持ちが満たされない。

たくさんの光とお水を浴びて、成長したいです。

クリエーションの世界で。


くるみ割り人形

金平糖の精.jpg

The Nutcracker

 

 

街のウィンドウにクリスマスのディスプレイが彩られ、一年で一番カラフルな光を浴びるシーズンが到来しました。

クリスマスといえば、『くるみ割り人形』はデフォルト。

私は今年は牧阿佐美バレエ団のくるみを予約しました。

Kバレエカンパニーのくるみもまだ見たこと無いので、来年はそちらも観てみたいです。

くるみ割り人形で私が一番好きなシーンは『スノーフレークス』です。

あのコーラス入りの音楽は私の脳の何かを刺激し、背中にゾクゾクッとするものが走り、目に涙がたまってしまいます。白くて幻想的で,,,,,今からとても楽しみにしています。

 

さてエレガンスラインとして発表した新作衣装は、くるみ割り人形の最大の見せ場である『金平糖の精』や『眠りの森の美女』のオーロラ姫、ローズアダジオをイメージしています。

 

アンティークな世界観を作り出すことを重視し、デザインや素材を熟慮しました。

新しい素材でわざとアンティーク感を作り出すというのは、制作サイドからいうと中々のハードルの高さだと言えます。

でもそこをクリアすることで、深い味わいが衣装にでるので、ダンサーの踊りに、重厚で上品な風合いを加えることが出来るのでは?と思っています。

金平糖の精やローズアダジオはバレエコンクールでも定番の演目です。

自分をどう魅せるか,,,その追求はダンサーだけではなく、衣装作家もそれを課題として、追求していきたいと思っています。

 

 

バレエ衣装 ー染色ー

パニエ.jpg

Gradation

 

 
チュチュやジョーゼットをグラデーションに染織すると、色彩が深みを増して、美しく、効果的です。
でも、私が思うグラデーション染織のもうひとつの重要な効果は、「構図を上に保つことができる」ことにあると思います。
 
「構図?何それ?」ってなるかもしれません。
これから、その自論を。
 
デッサンや絵を書く上で、まず画用紙にモチーフをどう配置するか、考えます。
どう描けば、バランスよく収まるかな??と。
絵画教室に通ったことがある方とかピンとくると思いますが、絵の先生に「構図が下がってるよ。もっと上に!」と、気持ち上にモチーフを描く意識で描きましょう。と、いうことから教わります。
極端な話、人物を画面に入れる時、「頭の天辺は多少切れてもいいけど、足は下までちゃんと入れましょう。」と言われるくらい、画面上、バランスを上に保つというのが、絵画の基本としてあります。
 
もちろん、わざと構図を下げてデザインされてるグラフィックや絵画は沢山あり、それが効果的な場合もあります。
 
でもバレエはポアントで立つくらい、重力がないかのように、「上に上に!」と教わりますね。
だから、バランスが上にある印象を与えることは重要です。
 
 
 
いうなれば、頭から膝辺りまでの衣装を着ている部分を、キャンバスに例えるとします。
そして、そのキャンバス内でデザインする時、重心やバランスが上にある事を位地付けるのに、真ん中当たりに色を入れることによって、構図を上にみせることが出来たりします。
意識的にそういう風に見る観客はいないと思いますが、グラデーション染色をしてる衣装を見ると、どこか「ふーっ」と、息が抜けるような感覚を味わっているのではないでしょうか。
 
 
飾りをパニエやスカートの裾に飾りを付けるとどうしても重たいバランスに見えるので、そんな時は、グラデーション染織の技法を使うことで、印象を上に保つことが出来るので、効果的に染織するのをオススメします。

伝統と格式

ロダロマ派.jpg

Tradition & Formal

 

狩野派。

室町時代の後期から江戸時代の後期にかけてなんと400年続いた日本美術史上最大の派閥。
なに!この巨大な組織!?息が長過ぎる!
日本画は迫力と繊細さを兼ね備え本当に素晴らしいものです。
でもこの400年続いていたと知ったときは、本当に驚きました。
その背後は繊細さより迫力。
各時代、一門の長がいる。狩野永徳。。探幽。山雪。。
これ、現代に置き換えると、立派な会社みたいなもの。
事業内容:美術絵画制作販売 
天皇や幕府の「クライアント」がいて、東京とか京都とか他地方に「支社」的なものがあり、「支社長」的な代表の画家がいる。門下生はアシスタント社員。出世の手段は画力。みたいな。
どことなく、芸術の世界でお金の話は下世話な感じもありますが、でも仕事をするとギャラが発生する訳ですから、経理の人とか、マーチャンダイザー的な役割の人もいたんでしょうか?
色々想像してしまいます。
400年間成功したアーティスト集団をかかえる組織の裏事情。
面白いビジネス展開していたんでしょうね、きっと。
 
 
 
 
 
 
 
バレエカンパニーも『パリ・オペラ座』『ロイヤルバレエ』『マリンスキー』『ABT』・・・と沢山あり、どこもオリジナルのカラーを持ち、その歴史ある伝統と格式は素晴らしいものです。
 
 
私も始まりは、いちクリエイターとして、作りたいもの、表現したいものがあり、LodaLomaを立ち上げました。
しかしそんな自己顕示欲的感情がの強すぎては、バレエ衣装は確立しません。
 
 
ダンサーという主体に、いかに自分のセンスを撹拌するか。
そのためには、ひとつを深く追求すること。
そのひとつのためにも色んな分野にアンテナを張り、感度の高い主観を保ち続けること。
そうして『Loda Loma』をひとつのブランドとしてクオリティの高いものをアウトプットできたらなと思っています。
 
 
話は戻って、狩野派の組織について冒頭でかきましたが、狩野派のどの画家においても、世界に誇る画力とセンスは言葉で表現できないくらい、魂にダイレクトに刺激してきます。
だからこそ400年。
素晴らしい作品が、自然と歴史を作ったのでしょう。
尊敬と敬意をはらいます。
 
ちなみに私は狩野山雪の力強い構図力と繊細な線のタッチが大好きです。
『老梅図襖』を生で見てみたいのですが、メトロポリタン美術館はさすがに遠い。笑。でも、近い将来、見に行くでしょう。足を運ばせてしまう引力が素敵な作品には宿っているんです。
そう、『引力』・・重要ですね。
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